個展「幻影と実在の探索」(⼤阪・コンテンポラリーアートギャラリーZone)

百合野 美沙子 個展「幻影と実在の探索」

会期: 2025年8月24日(土)〜9月4日(水)
時間: 12:00〜18:00(木・金休廊/最終日も18:00まで)
会場: コンテンポラリー アート ギャラリー Zone
〒563-0043 大阪府箕面市桜井2-10-5(阪急桜井市場内)
TEL:080-3106-3177
http://www.artgallery-zone.com/zone.htm
*アーティストトーク:8月25日(日)16:00〜

前回の「思春期の葛藤」をテーマとした展示から大きく変化し、今回は「鏡」を中心に据えた作品を発表します。より正確に言えば、「鏡に映り込むもの」と「その実在」との関係を探る試みです。

この2年間での変化の一つに、画材の転換があります。これまで主に用いてきたアクリル絵具から、今回は油彩へと移行しました。
大学時代、油絵具の扱いに苦手意識がありました。パレットの上では絵の具が美しいのに、キャンバスにのせると苦しそう。自分が使う絵の具について、ずっとそう思っていました。パレットの上の色は花束のように美しいのに。それ以来アクリルを使い続けてきましたが、十数年を経て改めて油彩に取り組むと、自分の中の「描きたいもの」に不思議と合致することに気づきました。今回は、小品をアクリルで、大作を油彩で制作しています。

「鏡」「映り込み」「現代的モチーフ」。
これらのキーワードをもとに、現代における“見ること”と“映ること”の関係を描いています。
原始の時代は水面に自分の姿を映し、現代ではスマートフォンを通して自分や他者を映します。合わせ鏡に映った像が異なる意思を持つかのように錯覚するように、鏡は外面を映すだけでなく、内面をも映し出す装置でもあります。
スマートフォンは現代の「魔法の鏡」と言えるでしょう。自分を映し、行ったことのない世界を映し、現実と非現実を行き来する。しかしそこには「見えているだけで実在しないもの」も多く存在します。

鏡を覗くとき、私たちは「自分」「映り込む自分」「鏡」という三つの層を区別しているようで、実際にはそれらは曖昧に溶け合っています。
華やかでキラキラして、どこかグロテスクな“見せかけの世界”が溢れる中で、「見えること」と「実在すること」の境界を問い直したいと考えています。

今回の作品では、クレーンゲームの景品やテーマパークの玩具などを合わせ鏡の内部に配置し、アクリルやプラスチックの透過光や反射を描いています。鏡の中で反射を繰り返す光は、永遠に一つの色に定まらず、幻のように揺らめき続けます。
見えることの不思議さ、見えているものの不確実さを楽しみながら、「幻影」と「実在」のあわいを探索する試みです。

アクリルラビット 2023
1940×1620mm キャンバス 油彩
宇宙は幾重にも 2024
910mm ×1167mm キャンバス 油彩
夢の国から 2024
910mm ×1167mm キャンバス 油彩
私と私 2023 606mm × 500mm
キャンバス アクリル
私と私Ⅱ 2023 606mm × 500mm
キャンバス アクリル
私と私Ⅲ 2023 606mm × 500mm
キャンバス アクリル