
百合野 美沙子 個展「日々うつつ」
会期: 2016年8月20日(土)~9月3日(土)
休廊日: 水・金
時間: 12:00~18:00(最終日は16:00まで)
アーティストトーク&パーティー: 8月21日(日)16:00~18:00
会場: コンテンポラリー アート ギャラリー ZONE
〒563-0043 大阪府箕面市桜井2-10-5(阪急桜井市場内)
TEL: 080-3106-3177
http://www.art-gallery-zone.com
大学院を修了し、約1年半、働きながら、毎日少しずつ絵を描いてきました。
仕事との両立に悩み、描けない自分を責めたり、逆に絵に没頭しすぎて他をおろそかにしては後悔したり。
バランスが思うように取れないながら、また描くことに戻ってくる――その繰り返しでした。
まだまだ途上ですが、これからも見たことのないものを描いていきたい。
この展覧会は、そのための一歩です。
大学の頃より、心の中にふと立ち上がる光景を描いています。
雨の日の傘立て、寺院の門、お風呂の浴槽――
日常の中の何気ないものをきっかけに、幻のような情景が広がります。
今回の展覧会の「うつつ」という言葉は“現実”を意味すると同時に、
“幻と現実のあいだ”も指します。
私の絵は幻視のように見えるかもしれませんが、そのすべては現実から生まれています。
目に見えるものだけが現実ではなく、私たちの心の奥には、不条理やおどろおどろしさ、
そして静かな美しさが共に存在しています。
絵を通して、誰の心にもある“うつつ”の風景を見つめたいと思います。



2015年 1120×1455mm パネルに綿布 アクリル絵具
今回の個展では、大学院修了時の作品とともに、上の「したたり」という作品を展示しました。
傘立ての中に、人の身体が沈みこんでいる。
透明なビニールの質感、湿った床の滲み、身体の淡い肌色——雨上がりのような静けさと痛みを大切に描いた。
境界の内と外、傘と自分の身体との曖昧さ。
守られているのか、守っているのか。
閉じ込められているのか、露わにしているのか。
「したたり」という題は、
水滴のようにゆっくりと落ちる感情や記憶を意味します。
現実の重さと夢のやわらかさのあいだで滲み合い、やがて自己の輪郭を曖昧にしていく様子です。
