
本作は、展示や保管の場面に柔軟に対応できるよう設計した、キャスター付きの木製収納棚ユニットである。
各ユニットは独立して移動可能で、組み合わせることで様々なレイアウトに対応できる。中央部には平たい収納棚が配置し、作品や資料、紙類の整理に適している一方、左右のユニットは立体物や高さのある展示品にも対応する。
収納家具でありながら、「場を構成する一部」としての役割もあり、余白を残す配置や自然光の取り込みにより、空間全体と調和し、展示台のような役割を果たす。
また本作は、誰でも家具を作ることができることを重視して設計した。
板材の購入およびカットはホームセンターで行い、持ち帰って自室での組み立てを前提としている。必要な道具は、簡易な電動ドリル(3,000円程度のもの)と紙やすりがあれば最低限の作業が可能で、他の工程も自宅にある一般的な工具で代用できる。
もちろん、オイルステインや取っ手金具など細部にこだわることで完成度を高めることもできるが、極力シンプルに自作できるよう設計し、必要最低限の機能性に留めている。これは、「誰もが自分の生活空間に合った家具を自らの手でつくることができる」という経験の提供を目的とした試みである。
一度棚を自作する経験を経ることで、「もっとこうしたい」「次はこう工夫したい」といった発想が芽生え、生活に根ざしたものづくりの可能性が広がっていくのではないかと考えている。
設計図も公開予定であるが、現在は図面の制作が間に合っておらず、準備中である。
